遺言と相続の関係①

「父の相続人は母と私だけです。もし、父が亡くなったら、私が父の財産の半分を相続するんですよね?」

インターネット上の質問掲示板などで、こんな質問をよく見かけます。

これに対して、民法900条1号を引き合いにだして、「はい、子の相続分は二分の一なので、あなたがお父様の財産の半分を相続できます。」なんてあっさりとした回答がされていたりします。

あれ、ちょっと待ってください。そのお父様が遺言で「私の財産はすべて、妻に相続させる。」と書いていた場合はどうなるんですか?

「遺言」や「相続」という言葉は日常生活でよく耳にします。どちらも、人が亡くなった後の財産を引き継ぐことに関係していますが、どう違うのでしょうか?

 遺言が優先する

民法には、遺言によって財産を受け継がせる方法と相続によって財産を受け継がせる方法があります。結論からいうと、もし遺言があれば、相続よりも遺言が優先します。

ですから、上の事例でいうと、

「あなたのお父様は遺言書を書いていましたか? もしあるならば、基本的にはその遺言の内容が優先されます。

遺言書がなかった場合には、法律で決められた相続割合が基準になります。あなたの場合は、お母さまとあなたとで二分の一ずつの相続分です(他に相続人がいないことが前提ですが)。

とはいっても、その相続分通りに分ける必要はありません。お母さまとあなたとで話し合って(遺産分割協議といいます)、誰が・何を・どのような割合で・どんな風に分けるか、を柔軟に決めることができます。」

こんな風な回答が正確だと思います。

より詳しく、より正確に知りたい人は、こちらの記事もご覧ください。