配偶者ってだれ?

婚姻届を出したら

民法890条は「配偶者は、常に相続人となる」といっています。

突然ですが、なにごとにも原則と例外がありますよね。

法律の場合も同じでして、多くの法律の条文というのは原則と例外がセットになっています。それは、いろんな事情をもろもろ考慮して、公平で公正な結果になるように工夫して法律が作られているからなんです。

ですから、法律の言葉の中で、例外を認めない「常に」のような強い表現は、あまり見られるものではありません。実際に、民法の中で「常に」という言葉が「例外なく」という意味で使われている890条だけです。こうしてみると、配偶者の地位が何かのプラチナカードのようにも見えてきます。

 

さて、そもそも民法がいう「配偶者」って誰のことでしょうか。

 

民法でいう「配偶者」というのは、法律上婚姻関係にある相手のことを指します。そして、夫婦になろうという意思で婚姻届を出せば、婚姻が成立します。

 

婚姻届けを出していない場合は

内縁、事実婚

「婚姻届は出していないけれども夫婦として生活する人たち」の関係を、「内縁関係」とか「事実婚」という風に言ったりします。

婚姻届を出していない以上、「配偶者」にはあたりません。しかし、一定の場合には、内縁が婚姻と同じように扱われることがあります。なぜなら、夫婦として共同生活を送っているという実体は、婚姻した男女と同じであることから、内縁関係は婚姻に準じた関係といえるからです。内縁関係に対して、どこまで婚姻と同じように扱われるかは、また別の記事で書きたいと思います。

戸籍上同性どうしのカップル

内縁、事実婚に関しては、夫婦として共同生活を送っている実体があることから、婚姻に準じる関係と判断されます。

では、戸籍上同性どうしのカップルの場合はどうでしょうか。こうしたカップルが互いにパートナー(ふうふ)として生活する場合も実質的には事実婚、内縁と同じ状態になると思いますが…。

現在の日本では、戸籍上同性どうしのカップルが婚姻届を出すことはできません。婚姻は男女を前提としているということで同性どうしでの届けは受理できないそうです。そうすると、戸籍上同性どうしのカップルがふうふとなる意思で共同生活を営んでいても、民法上の「配偶者」にはなれません。

私は、婚姻届を出した法律婚の夫婦だけが互いに「配偶者」として法律上優遇されることは不平等でおかしいと考えています。しかし、立法がない限り、法律婚以外の「ふうふ」が「配偶者」となることは難しそうです。
配偶者の身分を得ることは難しくても、配偶者に近い身分関係を実現するために契約や遺言を活用する方法もあります。不平等な部分や不都合な部分を無くすためにどういった工夫ができるかは、弁護士や司法書士、行政書士などの法律実務家が研究していくべきことではないかと考えています。

最近では、戸籍上同性パートナーを「配偶者」や「家族」に含めるサービスが少しずつ増えてきました。誰にとっても生活しやすい社会になればいいなと思います。

 

さて、今日のおやつはなんと手作りチョコ!「バレンタインデーだから」と作ってもらったのです(もちろん、お手伝いもしました)。ありがたいですね。コーヒーをいれなおして、おいしくいただきます。